【※第2話はこちら】
師匠に言われてはっきりと気づいたことがある。
それは、ヒトミが変わってしまったのではないということだ。
むしろ、僕の方が仕事の調子が悪くなったことがきっかけで、彼女に依存するようになってしまっていたのだった。
「付き合い始めた頃は、もっと自分に自信があって余裕があったはずだ。」
「それなのに、今の自分はヒトミがいなくなっただけで、こんな情けない男になってしまっている。」
「今の自分を変えたい。変わりたい。そして、元カノを見返してやりたい。」
「付き合っていた頃よりもずっとずっといい男になって、ヒトミを見返してやる。」
そう思って、僕は復縁するために徹底的に男磨きを行った。
「逃した魚は大きいと思わせるようなデカい男になればいいんだよ」
という師匠の言葉を信じて頑張っていた。
そう、結局、恋愛は子孫繁栄のための活動であり、女性は本能的にも魅力的な男を求めるようになっているのだ。
実際、僕の恋愛も全く同じことが言える。
付き合い始めた時は、仕事も頑張っていて、前向きで、プライベートも充実して、自信も余裕もあった。
だが、振られた時は彼女に不満を持っていたり、マイナス思考だったり、仕事よりも彼女のことばかり考えていた。
そう、ヒトミに振られてしまったのは、いつの間にか僕が彼女に依存するほど弱い男になっていたからなのだ。
だとすれば、話はシンプルで、付き合っていた時よりもいい男になってしまえばいい。
まずは、元カノに求められるような男になる。
「絶対に元カノと復縁してみせる」と信じて、とにかく男を磨いていった。
・誰よりも仕事を一生懸命頑張る
・男としての強さである筋トレを毎日行う
・早寝早起きを当たり前の習慣にする
・交友関係を広げて、プライベートを充実させる
・人と話す時ははっきりとは話して、じっと目を見つめる
・とにかくポジティブな言葉を使う
・プライベートも充実させて、イキイキとした男になる
「人を幸せにするためには、まず自分を幸せにしないといけない」
師匠に言われた言葉を信じ、ヒトミへの依存から脱却し、魅力的な男になる努力をしていった。
もちろん、決して楽な道のりではなかった。
ふとした瞬間に「本当に復縁できるんだろうか」と不安になってしまうこともある。
「ヒトミは他の男に抱かれているんじゃないか」と思って、ネガティブになってしまうこともある。
そう、一番の敵は自分自身だった。
それでも、僕は諦めることはできなかった。
ヒトミに依存していた時、彼女にイライラしたり、不満をぶつけてしまったことを思い出してはとても恥ずかしくなる。
「なんであんなことを言ってしまったんだ。」
「謝りたい。でも、今謝っても逆効果だ。ちゃんと復縁してから謝るんだ。今度こそ幸せにしよう。」
そう自分に言い聞かせて、とにかく頑張った。
本当に復縁できるかどうかわからない中で、男磨きを続けていくのは本当に試練とも言える。
それでも、頑張ることができたのは、師匠の存在が大きかった。
辛くなったらケツを叩いてくれ、どうすれば復縁できるのか、親身に相談に乗ってくれたからだ。
正直、師匠に出会えなければ、ヒトミと復縁できていなかったと思う。
それどころか、そもそも依存していたことに気づけなかっただろう。
「なんでわかってくれないんだ。どうしてなんだ。」と被害者意識を持っていたまま、その後の人生を歩んでいただろう。
そんな男、全然魅力的じゃないし、想像しただけでゾッとしてしまう。
最初こそ不安な気持ちが襲ってきていたものの、師匠の力を借りつつ、男磨きをしていくと、僕の気持ちにも変化が現れてきた。
そう、ヒトミと別れて、あれほどつまらなかった毎日が徐々に楽しくなってきたのだ。
仕事もあるし、友達とも楽しく過ごし、新しい趣味も増え、筋肉もついてきた。笑
周りの人からも「変わったね、今の方が断然いいよ」と言われるようになり、自分のやっていることは正しいんだと実感する。
僕の人生はヒトミだけじゃないんだ。
男磨きを継続したことで、彼女への依存から抜け出すことができ、僕は自分自身のことを少しずつ好きになれていた。
復縁活動として男磨きを始めて7ヶ月、ついにその時はやってきた。
「久しぶり、元気してる?」
スマホのホーム画面にLINEの通知が来ており、覗くと、なんとヒトミからのメッセージだった。
音信不通にまでなっており、連絡はまだ早いと思っていた中での連絡だったので、びっくりした。
もちろん、彼女からの連絡は嬉しかったのだが、不思議と僕の心は落ち着いている。
なぜか?
もう、ヒトミ中心の生活ではないからだ。
僕は男を磨いて自分に自信を持ち、余裕があったからこそ、冷静にLINEに対処することができた。
この自信や余裕があれば、別れることにならなかったのだろうとも思った。
もちろん、師匠にも相談する。
「彼女の方から連絡してきたってことは、何かあるってことだから、しっかりと対応してやんな。」
どうすればいいのか悩んだ時に相談できる師匠の存在は本当にありがたかった。
「久しぶり、元気してる?」
「元気!そっちは変わりない?」
「うん、元気!なんかどうしてるかなーってふと気になって!」
これも師匠から言われた通りだ。
別れて間もない時に自分から連絡を入れると、元カノに警戒されてしまう。
だが、男磨きに集中して、連絡を入れないでいると、今度は元カノの方が気になってくるのだ。
「連絡してこなくなったな。今頃、何してるんだろう」という感じで。
僕の場合、音信不通だったにも関わらず、このパターン通り、向こうから連絡してきてくれた。
つくづく「師匠、最強かよ」と思って感謝した。
元カノの方から連絡がきた時は小チャンスだと言われていた通り、たわいもないやり取りを続けて様子をみる。
決してがっつくことなくLINEをしていると、何日もLINEが続いた。
内容も好感触だったので、ご飯に誘ってみることに。
すると、返事はOK。
心の中で小さめのガッツポーズをする。
「だが、たかがご飯のOKをもらえただけだ、復縁できたわけじゃない。」
そう自分に言い聞かせて、気を引き締めて、いつも通り筋トレをする。
そして、やってきたヒトミとのご飯。
流石に久しぶりの再会となると緊張したが、同時にワクワクしているのもわかった。
別れた直後の僕は、不安やこれ以上嫌われたくない思いで、彼女の機嫌を伺うことしかできなかった。
でも、今は違う。
「男磨きをして強くなった自分を見せて後悔させてやろう。」
そう、僕は生まれ変わったのだ。
「ごめん、待った?」
「全然、じゃあ行くか。」
再会したヒトミは相変わらず可愛かったし、「やっぱり好きだ」という思いがこみ上げてきた。
だが、決して焦らないし、がっつかない。
師匠から復縁の知識を詰め込んでもらい、男磨きもしまくった成果もあって、堂々と元カノをエスコートした。
それがなければ、ヒトミに出会ってすぐ復縁を求めていたかもしれない。
だが、もう別れた後の自分とは違う。
女性の気持ちは徐々に温かくなっていくものだと教わっていたので、いきなり復縁を求めることはしない。
とにかくヒトミの話をゆっくり聞き、共感と理解をすることに徹した。
そう、女性は共感脳の生き物であるから、自分の話を聞いてくれる男を好きになるのだ。
だからこそ、自分のアピールや復縁を求めるのではなく、まず話を聞いてあげて受け入れる。
男磨きをしてアピールしたくなったが、我慢して、とにかく話を聞いて理解に徹した。
彼女の目をじっと見て、ゆっくりと頷きながら共感する。
男を磨いて自信と余裕を身につけたからこそ、焦ることなく共感することができた。
話を聞いていると、ヒトミはどんどん楽しそうに話してくれ、笑顔でバイバイすることもできた。
最初の再会では、復縁の「ふ」の字すら出していない。
そう、最初の再会で目指すべきゴールは男磨きで変わった姿を感じさせ、興味を持たせることなのだ。
というのも、人は異性を好きになる前に必ず興味を持つからだ。
興味を持った後に好きになる。
だから、まず元カノに興味を持ってもらうことが大事で、そのためには、変わったところを見せなければならない。
結果、ご飯から帰ってきて、ヒトミからこんなメッセージを受け取った。
「なんか変わったね、昔みたいですごく楽しかったよ!またご飯行こっ!」
第一段階クリア。
ヒトミの興味を引くことができた僕は小さくガッツポーズをして、ゆっくりと1日を終えた。
正直、ほっとしたことで緊張の糸が切れてしまったのかもしれない。
でも、それくらい最初の再会が重要であることを学んでいたからだ。
なぜ、最初の再会が重要なのか?
元カノとの最初の再会は、男磨きをした変化を一番感じてもらいやすいチャンスだからだ。
ここで何も変わっていないまま復縁を求めたり、がっついてしまうと、「別れて正解だった」と思われてしまう。
だが、明らかに別れた後とは違った姿を見せることができれば、「あれ、どうしたんだろう?」と思ってもらえる。
そして、最初の再会で興味を持ってもらうことができれば、あとは比較的スムーズに進めることができる。
なぜか?
相手が自分に対して興味を持ってくれているからだ。
誰だって興味のない人のことは知りたいと思わないが、興味のある人に対しては知りたいと思う。
それは復縁でも全く同じであり、復縁したければ、まず興味を持たせなければならないのである。
実際、ご飯に行った後も、ヒトミとのLINEは続いていた。
たわいもない会話だが、彼女から質問が来たり、話題を振ってきたりして、自然とラリーが続く。
ただ、あまりにもがっついてしまうと警戒されるので、3、4週間に1度のペースでご飯に行くよう心がけた。
もちろん、誘いはOK。
いかに最初の再会のインパクトが大事なのかが実感できる。
この文章を読んでいるあなたも、最初の再会でインパクトを与えれるかが大事であることを頭に叩き込んでおいてほしい。
「すごい、なんか雰囲気変わったね!」と元カノの興味を引ける男になってやるのだ。
そうすれば、連絡も取りやすくなるし、ご飯にも行きやすくなる。
元カノを追いかける立場から、元カノに追いかけさせる立場へと変えるのだ。
だからこそ、最初の再会に全力を注いでほしいし、その基盤となる男磨きも思いきりしてほしい。
男磨きをすることで、自分を好きになれる、自信や余裕のある男になれる。
その先に復縁がある。
そして、人生が大きく変わる。
このことを覚えておいてほしいし、素直に実践してみてほしい。
そして、いよいよ僕の復縁はクライマックスへと向かっていく。
【※第4話はこちら】
→【最終話】『あなたの人生で後悔しない選択はどんな選択ですか?』
この記事は復縁体験談の第3話の記事になります。
前回の記事をまだ読んでいない方はこちらを先にお読みください。